2024年2月7日水曜日

「である」ことと「する」こと 1 論旨をレイアウトする

 「永訣の朝」が終わって、今年度の授業は残り8回ほどしかない。この中で可能な限り評論を読んでいく。

 軸となるのは「『である』ことと『する』こと」だ。ここにいくつかの評論をからめていく。

 正直、時間はもっとほしい。

 だが今回の塊もまた、それらから得られる認識を来年度にお土産として持って行きたい重要な議論がなされている評論群だ。


 まずは「『である』ことと『する』こと」。

 この文章の読解の目標は「全体の論旨を平面上にレイアウトする」だ。

 具体的には、文中から、論旨を語るために必要な語やフレーズを挙げ、それらを平面上に配置(レイアウト)して、その関係性を位置関係で示す。必要に応じて囲ったり、線や矢印で結んで論理関係を示したりする。


 文章や人の話(「『である』ことと『する』こと」は講演)は線状(1次元的)に情報が配置され、読み手(聞き手)は時間軸に沿って情報を受け取る。

 だが、その情報、つまり文章の内容・論理は、本来は3次元(立体)以上の次元構造をもつ。こことここが結びつく、という論理のつながりは横にだけつながっている(1次元)わけでもなければ、平面(2次元)上でのみ展開されているわけでもない。ここにもあそこにも繋がる。その繋がりは縦横無尽でありうる。

 我々は時間軸にそって1次元的に提示される情報を、脳内で、そうした多次元構造に再構築している。それが読解という行為だ。

 だが立体模型を作るのは、それ自体が厄介な大仕事になってしまうので、授業という制約の手に余る。

 そこで、線状に配置されている情報を平面上に配置し直すところまでを授業で行う。もともと時間順に生起するわけではない論理を平面上で同時に見えるようにする。


 ということで全体の論旨を把握して大まかな設計図を構想する。

 同時に、部品を集める。文中から語句をピックアップする。


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