2023年10月25日水曜日

こころ 9 曜日の特定6-④奥さんと談判したのはいつか

 問題は次の段階だ。

奥さんと談判したのはいつか?

 この推論の結果は⑥以上にバラつく。

 推論の根拠は135頁「二、三日の間」と136頁「五、六日たった後」という記述だ。どちらも日程は2日間に渡る曖昧な記述でしかないが、ばらつきはそれだけではない幅で生じているはずだ。

 なぜか? 推論過程にどのような違いがあるのか?


 まず④を特定するための起点が、ここまでの確認事項である⑤の木曜(か水曜)と勘違いしないよう注意する必要がある。起点は⑥の土曜日だ。

 そのうえで、結論は次の二択のはずだ。

A 日か月

B 木か金か土

 これ以外は単純な勘違いだ。起点が違っているか数え間違い。議論の中で整理されなければならない。

 では、A「日か月」説とB「木か金か土」説は、それぞれどのような推論に基づいているか?


 問題は「二、三日」と「五、六日」の関係がどうなっているかだ。ここが二通りの解釈を生じさせていたことが、上の二説として表れている。

 A「日か月」とは、土曜からの日程を「五、六日」と数えている。

 B「木か金か土」とは、「五、六日」に「二、三日」を足して「七~九日」と数えている。

 Aは「二、三日」が「五、六日」の中に含まれる(重なっている)と考えている。Bは「二、三日」と「五、六日」が連続した一連の日程だと考えている。

 A









 「二、三日」と「五、六日」は足すべきか、足すべきではないか? 「二、三日」は「五、六日」に含まれるのか、含まれないのか? 両者は重なっているか、いないか?


 先述の⑥と⑦は同じ日なのかという問題同様、自分の読みと違った読みの可能性については気づきにくい。他人と同時にテキストを読む、授業という場が、別の読みへの可能性を開く。

 現状ではABどちらを支持する者もいる。どちらが適切か、両者が合意に至るよう議論をしよう。

 重要なのは「正解=結論」ではない。結論にいたる推論の妥当性についての議論だ。


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